医療機器プログラムとしての実装化を見据えた胃・大腸生検AIモデルの開発(国内の医療機関で受けられた方)

国内の医療機関で胃生検・大腸生検を受けた方へ

東京大学大学院医学系研究科人体病理学・病理診断学教室では胃生検・大腸生検の病理組織画像から腫瘍性病変の有無などを推定し病理診断支援を行う人工知能(AI)の開発に取り組んでおります。この研究は日本病理学会「AI等の利活用を見据えた病理組織デジタル画像(WSI)の収集基盤整備と病理支援システム開発」の研究事業において国内の医療機関から収集され、匿名化されたデータを用いています。

研究課題

医療機器プログラムとしての実装化を見据えた胃・大腸生検AIモデルの開発(審査番号2021361NI)

研究機関名及び本学の研究責任者氏名

この研究が行われる研究機関と研究責任者は次に示すとおりです。
主任研究機関   東京大学大学院医学系研究科・人体病理学・病理診断学教室
研究責任者    牛久 哲男 人体病理学・病理診断学教室 教授
担当業務   画像収集・匿名化・AIモデル評価

共同研究機関  

研究機関   東京大学先端科学技術研究センター 
  研究責任者  原田 達也 (教授)
  担当業務   AIモデル構築
研究機関    国立情報学研究所 医療ビッグデータ研究センター
  研究責任者 森 健策 (センター長)
  担当業務  クラウド基盤の管理・AIモデル構築

研究協力機関  

一般社団法人 日本病理学会・北川 昌伸・理事長
担当業務:先行する研究課題(後述)で収集した病理画像データの提供
この研究に利用する情報は共同研究機関の範囲のみで利用されます。

研究期間

承認日~2026年12月31日
本研究は長期にわたる研究を計画しています。記載の研究期間終了後も継続する場合は、研究期間延長の申請を行う予定です。

対象となる方

日本病理学会「AI等の利活用を見据えた病理組織デジタル画像(WSI)の収集基盤整備と病理支援システム開発」の研究事業においては、下記の医療機関より胃及び大腸生検の病理画像を収集し、匿名化して国立情報学研究所に送付しました。本研究はこの匿名化されたデータを、日本病理学会の許諾を得て使用しています。
(日本病理学会が病理画像を収集した対象の医療機関)
東京大学、秋田大学、金沢医科大学、浜松医科大学、奈良県立医科大学、京都大学、大阪警察病院、徳島大学、広島大学、産業医科大学、熊本医療センター、長崎大学
上記の医療機関で胃・大腸生検を受けたことがある方が対象となります。

研究の意義と目的

我々の研究室では先行する研究課題(AI等の利活用を見据えた病理組織デジタル画像(WSI)の収集基盤整備と病理支援システム開発:審査番号11603)において、胃生検及び大腸生検の病理組織画像から腫瘍の有無を判定するAIモデルを作成し、感度・特異度95%前後の良好な結果を得ました。本AIモデルの更なる精度向上を図るとともに、プログラム医療機器としての薬事承認取得を目指し、研究開発を行います。

研究の方法

先行する研究課題において、特殊な装置(バーチャルスライドスキャナー)を用いて胃・大腸生検の病理組織標本をデジタル化した病理画像(whole slide image, WSI)を、日本病理学会が各医療機関から収集し、匿名化した上で国立情報学研究所のクラウド基盤に格納しました。国立情報学研究所及び東京大学先端科学技術研究センター(先端研)のAI研究者がクラウドにアクセスし、AIモデルの作成・検証を行います。検証結果は人体病理学教室の病理医によって再評価され、AI改善のために必要なフィードバックをAI研究者に行い、AIの性能改善を図ります。
対象となる人数は 全体で8000 人です。
本研究はこれまでの診療で得られた病理標本をデジタル化した病理画像を収集して行う研究です。特に研究対象者の皆さんに新たにご負担いただくことはありません。
なお、研究計画書や研究の方法に関する資料を入手・閲覧して、研究内容を詳しくお知りになりたい場合は、末尾の連絡先にお問い合わせください。他の研究対象者の個人情報等の保護や研究の独創性確保に支障がない範囲でご提供させていただきます。

個人情報の保護

この研究に関わって収集される病理画像は、外部に漏えいすることのないよう、慎重に取り扱う必要があります。収集された病理画像は国立情報学研究所のセキュリティが担保されたクラウド基盤で厳重に保管します。
すでに日本病理学会においてどの個人のものか特定できないよう匿名化された状態で国立情報学研究所に送付され保管されたデータのため、あなたの病理画像を特定することはできません。そのため、同意を取り消すこと、研究への参加を取りやめることはできません。
研究の成果は、あなたの氏名等の個人情報が明らかにならないようにした上で、学会発表や学術雑誌で公表します。
収集した病理画像は厳重な管理のもと、研究終了後5年間保存されます。保管期間終了後には、当研究室のパソコンや国立情報学研究所のクラウド基盤から復元不可能な形で削除することで廃棄します。なお研究データを統計データとしてまとめたものについてはお問い合わせがあれば開示いたしますので下記までご連絡ください。
本研究の結果として知的財産権等が生じる可能性がありますが、その権利は国、研究機関、民間企業を含む共同研究機関及び研究従事者等に属し、研究対象者はこの知的財産権等を持ちません。また、その知的財産権等に基づき経済的利益が生じる可能性がありますが、これについての権利も持ちません。
この研究は、東京大学医学部倫理委員会の承認を受け、東京大学医学部附属病院長の許可を受けて実施するものです。
この研究に関する費用は、東京大学大学院医学系研究科の人体病理学・病理診断学教室の運営費から支出されています。
本研究に関して、開示すべき利益相反関係はありません。
尚、あなたへの謝金はございません。
この研究について、わからないことや聞きたいこと、何か心配なことがありましたら、お気軽に下記の連絡先までお問い合わせください。

                                                                              2022年3月

 

問い合わせ先

研究責任者:牛久 哲男(うしくてつお)
連絡担当者:阿部 浩幸(あべひろゆき)
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1
東京大学大学院医学系研究科・医学部 人体病理学・病理診断学教室
電話:03-5841-3341(内線23341) FAX:03-3815-8379
e-mail:usikut-tky@umin.ac.jp