病理解剖検体を用いた胃癌の病態解析

東京大学医学部付属病院にて病理解剖にご協力頂いた患者さんのご遺族の方へ

東京大学医学部附属病院病理部では、当院で治療を受けたものの、残念ながら亡くなられた患者さんで、ご遺族の御承諾を頂いた方を対象に、死因や病態を明らかにして今後の医療に生かすため、病理解剖を行っております。病理解剖では、全身の臓器をご遺体から取り出して詳細に検索することで、主な病変のあった臓器だけでなく、全身の諸臓器も含めて病態を明らかにし、通常の医療だけでは得られない様々な情報を知ることができます。これらの情報を元に研究を行うことは、各種の疾病に対する知見を深める上で重要です。 そのため、当院病理部、及び東京大学大学院医学系研究科人体病理学教室では、胃癌で亡くなられ病理解剖を受けられた患者さんの臨床データ及び病理解剖結果、解剖で採取された検体から得られる分子生物学的情報を用いて研究を行っております。 この研究の対象者に該当する可能性がある方で、診療情報等や病理解剖で得られた試料を研究目的に利用されることを希望されない場合は、病理解剖実施後3カ月以内を目安に末尾に記載の問い合わせ先までご連絡ください。

研究課題

病理解剖検体を用いた胃癌の病態解析(審査番号10461-10)

研究機関名及び本学の研究責任者氏名

この研究が行われる研究機関と研究責任者は次に示すとおりです。
研究機関  東京大学大学院医学系研究科 人体病理学・病理診断学
研究責任者  牛久 哲男 人体病理学・病理診断学教授
担当業務  試料・データ収集・匿名化・解析   この研究に利用する試料・情報は共同研究機関(及び委託機関)の範囲のみで利用されます。

研究期間

承認日~2027年3月12日 本研究は長期にわたる研究を計画しています。記載の研究期間終了後も継続する場合は、研究期間延長の申請を行う予定です。

対象となる方

1955年1月1日 ~ 2027年3月12日の間に当院で病理解剖を受け、胃癌の診断を受けた方。

研究の意義

胃癌は罹患者数、死者数の多い代表的な癌の一つです。病理解剖では原発巣(胃)だけでなく体の様々な臓器に転移した腫瘍組織を採取することが可能で、転移先の腫瘍組織を解析することにより、原発巣(胃)の腫瘍組織では分からない情報を得ることができると考えられます。

研究の目的

病理解剖で得られた胃癌の組織を用い胃癌の病態解析を行います。  

研究の方法

病理解剖で胃癌と診断された方を対象とし、生前の臨床情報〔問診や診察所見、疾患名、処置・手術・投薬等の治療内容、放射線画像所見(CT, MRI, 核医学検査)、血液検査・生理検査・尿検査・便検査等の各種検査データ、各種臨床評価指標〕、及び病理解剖で採取されたホルマリン固定臓器、臓器写真、パラフィン包埋ブロック及び組織標本、臓器の凍結保存検体を用いて、胃癌組織型や腫瘍分布、分子生物学的情報、各種臨床情報などの相関関係について研究しています。対象症例数は200例を予定しています。   この研究は、東京大学医学部倫理委員会の承認を受け、東京大学大学院医学系研究科・医学部長の許可を受けて実施するものです。 この研究は過去の診療記録、及び通常の病理解剖による診断後の標本を収集して行う研究です。特に患者さんに新たにご負担いただくことはありません。

個人情報の保護

この研究に関わって収集される試料や情報・データ等は、外部に漏えいすることのないよう、慎重に取り扱う必要があります。
収集した試料や診療情報は、解析する前に氏名・生年月日等の個人情報を削り、代わりに新しく符号をつけ、どなたのものか分からないようにします(このことを匿名化といいます)。匿名化した上で、鍵をかけたロッカー及びパスワードロックをかけたパソコンで厳重に保管します。ただし、必要な場合には、当研究室においてこの符号を元の氏名等に戻す操作を行い、結果をあなたにお知らせすることもできます。
この研究のためにご家族のデータを使用してほしくない場合は主治医にお伝えいただくか、下記の問い合わせ先に(病理解剖後、3カ月以内を目安に)ご連絡ください。研究に参加いただけない場合でも、将来にわたって不利益が生じることはありません。 ご連絡をいただかなかった場合、ご了承いただいたものとさせていただきます。
研究の成果は、あなたの氏名等の個人情報が明らかにならないようにした上で、学会発表や学術雑誌等で公表します。
収集したデータは厳重な管理のもと、研究終了後5年間保存されます。保管期間終了後には、電子データは復元不可能な形で削除し、紙資料はシュレッダーにかけることで廃棄します。なお研究データを統計データとしてまとめたものについてはお問い合わせがあれば開示いたしますので下記までご連絡ください。  
本研究の結果として特許権等が生じる可能性がありますが、その権利は国、研究機関、及び研究従事者等に属し、研究対象者はこの特許権等を持ちません。また、その特許権等に基づき経済的利益が生じる可能性がありますが、これについての権利も持ちません。
この研究に関する費用は、東京大学大学院医学系研究科・医学部人体病理学・病理学教室の運営費、研究医療費、及び科学研究費補助金(21K06882)から支出されています。 本研究に関して、開示すべき利益相反関係はありません。 尚、あなたへの謝金はございません。    

この研究について、わからないことや聞きたいこと、何か心配なことがありましたら、お気軽に下記の連絡先までお問い合わせください。                       2022年1月  

【問い合わせ先】
連絡担当者:牛久 哲男(うしくてつお)
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1
東京大学大学院医学系研究科・医学部 人体病理学・病理診断学
電話:03-5841-3343 
FAX:03-3815-8379