Barrett食道及びBarrett食道関連腫瘍の病理組織学的解析

当院にて食道腺癌の内視鏡治療または外科治療を 受けられた患者さんまたはご家族・後見人の方へ

東京大学医学部附属病院病理部では、当院を受診され、病理組織検体ないし細胞 診検体を採取させていただいた方を対象に、標本を作製し、患者さんの病理診断 を行っております。病理組織及び細胞診の標本は患者さんの病変のある部分か ら直接採取されるものであるため、画像検査や血液検査等の他の手段では得ら れない様々な情報を知ることができます。これらの情報を元に研究を行うこと は、各種の疾病に対する知見を深める上で重要です。 そのため当院病理部、及び東京大学大学院医学系研究科人体病理学教室では、食 道腺癌の治療(内視鏡による治療または外科手術による治療)を受けられた患者 さんのデータ及び標本を用いて以下のような研究を行っております。

研究課題

Barrett 食道及び Barrett 食道関連腫瘍の病理組織学的解析

研究機関名及び本学の研究責任者氏名

この研究が行われる研究機関と研究責任者は次に示すとおりです。

  • 研究機関 東京大学大学院医学系研究科 人体病理学・病理診断学教室
  • 研究責任者 人体病理学・病理診断学 准教授 牛久哲男
  • 担当業務 標本やデータの収集・匿名化・データ解析
共同研究機関
  • 研究機関 Institute for pathology, Klinikum Bayreuth (ドイツ)
  • 研究責任者 教授 Michael Vieth
  • 担当業務 標本やデータの収集
研究期間

承認日~2024年1月31日

対象となる方

2001年1月1日~2018年12月31日の間に当院で食道腺癌の内視鏡治療や外科手術治療を受けられた方

研究の意義と目的

食道腺癌は逆流性食道炎により生じるバレット食道(食道上皮が胃の上皮に 類似した組織(腺上皮)により置き換えられた状態)から発生し、日本よりも欧米 に多いとされています。しかしながら近年、日本でも食生活の欧米化等により増 加する可能性が指摘されており、食道腺癌の発生メカニズムの研究は重要と考 えられます。本研究を通して食道腺癌や腺癌になる前の状態(バレット食道及び 異形成)の形態やタンパク発現を調べ、食道腺癌について研究します。

研究の方法

この研究は、東京大学医学部倫理委員会の承認を受け、東京大学医学部附属病 院長の許可を受けて実施するものです。具体的には、臨床病理情報(性別、年齢、 病理診断のデータ等)、及び病理組織検体のパラフィン包埋ブロック、組織標本 を対象とします。病理検体のパラフィン包埋ブロックから切片を作成し、免疫組 織学的手法を用いて様々なタンパク質の発現を調べます。本研究はバレット食 道の多い欧米の病院である Klinikum Bayreuth と共同で行われますが、患者さんの標本や試料をドイツへ送付することはありません。また得られたデータを ドイツの共同研究者と共有する可能性がありますが、その際は個人を特定できる情報は全て匿名化されます。特に患者さんに新たにご負担いただくことはありません。

個人情報の保護

この研究に関わって収集される試料や情報・データ等は、外部に漏えいするこ とのないよう、慎重に取り扱う必要があります。 あなたの人体試料や情報・データ等は、解析する前に氏名・住所・生年月日等 の個人情報を削り、代わりに新しく符号をつけ、どなたのものか分からないよう にした上で、当研究室において牛久哲男(管理責任者)が、パスワードロックを かけたパソコン、鍵のかかるロッカー等で厳重に保管します。また共同研究機関の Klinikum Bayreuth に情報・データ等を送付する場合においても、送付前に どなたのものか分からないようにします。
この研究のためにご自分のデータを使用してほしくない場合は主治医にお伝えいただくか、下記の研究事務局までご連絡ください。ご連絡をいただかなかった場合、ご了承いただいたものとさせて頂きます。患者さんご本人が既にお亡く なりになっている場合やご自身で参加の意思を表明できない場合は、ご家族・後 見人の方からも受け付けます。同意をしないことの表明はいつでも受け付けま すが、データをまとめ論文等の形で発表した後は、個々の患者さんのデータを取り消すことは困難ですので、ご了承ください。
研究結果は、個人が特定出来ない形式にして学会等で発表されます。収集したデータは厳重な管理のもと、研究終了後5年間保存されます。なお研究データを統計データとしてまとめたものについてはお問い合わせがあれば開示いたしま すので下記までご連絡ください。ご不明な点がありましたら主治医または研究事務局へお尋ねください。

この研究の費用は、東京大学大学院医学系研究科人体病理学・病理診断学教室 の運営費交付金、及び日本学術振興会科学研究費補助金から支出されています。
本研究に関して、開示すべき利益相反関係はありません。
尚、あなたへの謝金はございません。

2019年3月19日

問い合わせ先

東京大学大学院医学系研究科 人体病理学・病理診断学
牛久哲男(研究責任者)
東京都文京区本郷7-3-1
Tel: 03-5841-3343 Fax: 03-3815-8379