岩﨑 晶子

助教

数年前に大学院を卒業し,現在は助教を務めています.他大学出身で,初期研修も東大とは関係のない市中病院でした.
東大病理のいいところは,まず研究と病理診断で教室が分かれていないところだと思います.研究しながら病理診断も学べる大学は案外少ないと思います.
研究に関しては,やはり機材や設備は恵まれていると思います.大学院生の研究テーマは,自分の興味のある分野があれば基本的にその分野に携わらせてもらえて,その中でも興味の方向性が定まってきたら指導教員と相談しながらチャレンジの機会をもらえます.研究手法も色々な提案と指導を受けることができますし,必要だったら他の研究室と一緒に取り組んだり,外部の施設で研究したりすることもできます.
病理診断に関しては,研究と並行するため,病理診断一筋で学んでいる人と比べると在学中に経験できる症例数は少ないですが,一般病院では経験が難しいような症例や,移植など東大が特に得意としている分野の症例を学ぶ機会が得られること,病理部内で毎日行われる難解例や希少例のディスカッション,月曜朝のカンファレンスなどを通じて,自身が診断に携わった症例数以上の症例を見られることは恵まれていると思います(私が大学院生の時はこの毎日のディスカッションはなかったので,今の若手の人々が羨ましいです.上級医が研鑽の環境の向上をいつも考えてくれて,実際徐々に改善してもらえているのもありがたいことだと思います).様々な分野を専門とする上級医がいて,分野も考え方も偏らない指導を受けられるところも大きな魅力だと思います.
加えて,解剖症例の指導がものすごく丁寧なことも特色です.日本全体で解剖が減っていて多数例を経験することが難しくなっているからこそ,1症例1症例から丹念に学び取り続けることが重要になっていますが,東大では全例で臓器の肉眼所見を上級医と確認し,その上で組織所見と照らし合わせ,各症例の臨床上の問題点に対する考察まで指導医と何度もディスカッションを重ね,病態をより深く理解できるよう努めています.全症例をカンファレンスで議論するので大学院生当時は大変に感じることもありましたが,自分が教えてもらう側の立場でいられる期間は案外貴重で,その間に多くのものを吸収させてもらえたことは大きな財産だと感じています.最終チェックが教授の症例(3例に1例の頻度)は,全てのHE標本を一緒に鏡見する時間を取ってもらえますが,冷静に考えるとなんて贅沢な時間だろう! と,いつも質問もりもりで勉強させてもらっていました.
病理専門医試験を受験する時期は大学院研究などとのバランスもあり様々ですが,最短(大学院4年生時)~2年遅れくらいの間で取得する人が大多数だと思います.
あと,ここからは私の個人的な見解ですが(「大学院専攻医の声」に教授が私を選んでしまった意図を勝手に汲んで(?),遠慮なく思っていることを書かせてもらいます!!),上記の環境要素に加え,東大病理はメンバーもとても魅力的だと思います! ほとんどの人が(普段は)物静かですが,みんな温厚かつ謙虚で,向上心の塊のような人ばかりです.また,指導医の先生達は全員例外なく,高い水準で学び続けることを恐らく自然と行って生きてきた人々なので,それぞれの専門分野に関して常に新しい知識が更新されていて,驚くと同時に病理医としての在るべき姿を学べます.つらいことといえば,なんだかんだ日本のハイスペック人間が招集された環境なのは間違いないので,その中に迷い込んでしまった凡人としては,自分の能力不足が泣けてくることでしょうか……(ただ,能力至上主義というわけでもなく,不平不満だけは言わずに体当たりで仕事に向かうような態度を評価してくれるような懐の深さがあります…感謝! 私のような人間も紛れ込んでいるので,非ハイスペックを自覚されている方々も大歓迎です!)
スタッフも全体的に年齢層低めで,男女問わず育児と両立して働いている人が多いです.私も2人出産しましたが,妊娠・出産・育児で周囲とどんどん差が付いてしまうことを当時気にしていた私に,育児への労いと周りと比べる必要の無さを泰然と語って下さる先生がいるなど,マタハラなんて無縁な環境が心底ありがたかったです.あとは,出身大学による不都合も特に感じたことがない気がします.これから東大に足を踏み入れようとしている方も,どうぞご安心ください.
とりとめのない文章になりましたが,参考になれば幸いです.ぜひ見学にも気軽にいらっしゃってください.

山本 周

大学院博士課程4年生

私は後期研修と並行して、大学院生として研究に取り組んでおります。
研修では、東大病院に加えて、虎の門病院、東京新宿メディカルセンターで診断業務に携わり、各施設で希少な疾患も含め多くの症例を経験できました。各専門領域のプロフェッショナルの先生方から指導を受けることができ、充実した研修生活を送れています。東大病理では、日々の業務でも豊富な症例に触れることができますが、加えて教育用症例のバーチャルスライドが整備されており、それらの自習用タブレット端末も貸与されるなど、学習環境も整っています。また、剖検の執刀、学会発表の機会にも恵まれています。
研究面では、家族性大腸腺腫症の胃病変をテーマに取り組んでいます。病理標本のレビューをして仮説を立て、モデルマウスやオルガノイドを用いて検討を進めています。
病理学の最大の魅力は、なんといっても病変を自分で直接観察、評価できる点です。トレーニングを積むにつれて新たな気づきがあり、病理学の面白さや奥深さに引き込まれると同時に、少しずつではありますが成長を感じることもできます。日々の形態観察で得た発見をもとに研究を進めていける点が大きなやりがいになっています。
研修、研究ともに恵まれた環境で一緒に学びませんか。皆様がメンバーに加わることを楽しみにしております。