医学教育のためのCPC e-Learningの試み

東京大学医学部付属病院にて病理解剖にご協力頂いた患者さんのご遺族の方へ協力のお願い

当教室では、医学教育効果を期待し、CPC e-Learningの作成・これに対するアンケート調査を行っています。
新医師臨床研修制度におけるCPC (clinicopathological conference)レポート必修化に伴って、医師の生涯教育に対するCPCの重要性が再認識されていますが、従来CPCのみでは、参加医療従事者が限られる事、難易度の問題などから医療従事者に対する教育効果は十分とは言い難いのが現状です。このような集団カンファレンスのデメリットを補い、学習効果を高めるとして期待されている新たな学習法がe-Learningです。本研究では,e-Learningを利用して、院内でCPC情報に基づく教材を作成し、実際に研修医に対しCPC e-Learningを実施するとともに、CPCの理解・教育効果の有用性に関する無記名アンケート調査を行います。CPC e-Learningのファイルは、実際に東京大学医学部附属病院で病理解剖が行われ、かつ病院CPCの対象となった症例の臨床経過や病理解剖学的結果を基に作成します。CPC e-Learningは東京大学医学部附属病院内のみで閲覧可能です。

研究課題

医学教育のためのCPC e-Learningの試み(審査番号 10628-(2))

研究機関名及び本学の研究責任者氏名

この研究が行われる研究機関と研究責任者は次に示すとおりです。
主任研究機関  東京大学医学部・大学院医学系研究科 病因・病理学専攻
        人体病理学・病理診断学講座
研究責任者   牛久哲男 人体病理学・病理診断学教室 教授
担当業務    CPCファイルの作成、データの収集

 

研究期間

承認日~2024年10月2日
本研究は長期にわたる研究を計画しています。記載の研究期間終了後も継続する場合は、研究期間延長の申請を行う予定です。

対象となる方

2011年以降東京大学医学部附属病院で病理解剖が行われた方。
アンケート調査の対象は2011年以降東京大学医学部附属病院で研修を行う研修医。

研究の意義と目的

 新医師臨床研修制度におけるCPC (clinicopathological conference)レポート必修化に伴って、医師の生涯教育に対するCPCの重要性が再認識されています。実際に患者を担当した臨床医、病理解剖を行った病理医、そして直接症例に関与していない医療従事者が一堂に会し、発表・討論を通じて症例を共有することは、非常に貴重な時間です。しかしながら、従来CPCのみでは、医療従事者に対する教育効果は十分とは言い難いのが現状です。CPCの開催日時が決まっていること。また、病院CPC対象症例は難解なものが多く、特に研修医にとっては、CPC時間内のみで理解するのは難しいこと等、このような理由から、結局討論は、実際の担当臨床医と病理医のみで行われ、研修医は単なる見学者になりがちです。このような従来の集団カンファレンスのデメリットを補い、学習効果を高めるとして期待されている新たな学習法がe-Learningです。本研究では、e-Learningを利用して、院内でCPC情報に基づく教材を作成し、実際に研修医に対しCPC e-Learningを実施するとともに、CPCの理解・教育効果の有用性に関するアンケート調査を行います。CPC e-Learningにより従来のCPCがより有意義なものになるだけでなく、教育効果も期待されます。

研究の方法

 東京大学医学部附属病院では、年に11回病院CPCを開催しており、解剖症例の中から毎回2症例ずつ取り上げています。この病院CPCで検討を行った病理解剖症例に関して、臨床経過や病理学的所見を組み込んだCPC e-Learningを作成します。作成したCPC e-Learningを、研修医を対象に実施し、CPC e-Learningに関係する無記名自記式アンケート調査を行います。
これまでの診療で診療録(カルテ)に記録されている血液検査や尿検査結果、画像検査、病理検査などのデータを取得して行う研究です。特に研究対象者の皆さんに新たにご負担いただくことはありません。
 なお、研究計画書や研究の方法に関する資料を入手・閲覧して、研究内容を詳しくお知りになりたい場合は、末尾の連絡先にお問い合わせください。他の研究対象者の個人情報等の保護や研究の独創性確保に支障がない範囲でご提供させていただきます。

 

個人情報の保護

この研究に関わって取得される試料や資料・情報等は、外部に漏えいすることのないよう、慎重に取り扱う必要があります。解析にあたっては、個人情報は匿名化させていただき、その保護には十分に配慮いたします。対象症例のご遺族の方で、対象から外れることをご希望の場合は、主治医にお伝えいただくか、下記の問い合わせ先に病理解剖後3か月以内を目安にご連絡ください。研究に参加いただけない場合でも、将来にわたって不利益が生じることはありません。ご連絡をいただかなかった場合、ご了承いただいたものとさせていただきます。

尚、提供いただいた試料・情報の管理の責任者は下記の通りです。
 試料・情報の管理責任者
 所属:東京大学医学部・大学院医学系研究科 病因・病理学専攻 人体病理学・病理診断学講座
 氏名:牛久哲男
 この研究は、東京大学医学部倫理委員会の承認を受け、東京大学医学部附属病院長の許可を受けて実施するものです。

  この研究に関する費用は、東京大学大学院医学系研究科病因・病理学専攻 人体病理学・病理診断学講座の運営費から支出されています。
  本研究に関して、開示すべき利益相反関係はありません。この研究について、わからないことや聞きたいこと、何か心配なことがありましたら、お気軽に下記の連絡先までお問い合わせください。

                                                                                                                                                                                2023年10月

連絡・お問い合わせ先

研究責任者:牛久哲男
連絡担当者:池村雅子
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1
東京大学大学院医学系研究科 病院・病理学専攻 人体病理学・病理診断学分野
電話:03-5841-3341  FAX:03-3815-8379