DNA/RNAパネル検査に適した病理組織検体の取り扱い方法の改良

東京大学医学部附属病院にてがん手術でご加療中の方・過去に手術を受けられた方へ

当院はがんゲノム医療中核拠点病院として、がん遺伝子パネル検査を実施しています。この検査では、病理診断の為に作製した病理組織標本から検査に必要なDNAやRNAを抽出しがん細胞の遺伝子の変化を調べます。東京大学大学院医学系研究科・人体病理学教室、及び東京大学大学院医学系研究科・次世代プレシジョンメディシン開発講座では新しいがん遺伝子パネルであるDNA/RNAパネル検査をより精密に実施する為「DNA/RNAパネル検査に適した病理組織検体の取り扱い方法の改良」を進めています。
この研究の対象者に該当する可能性がある方で、試料や診療情報等を研究目的に利用または提出されることを希望されない場合は2022年12月31日までに末尾に記載の問い合わせ先までご連絡ください。

研究課題

DNA/RNAパネル検査に適した病理組織検体の取り扱い方法の改良(審査番号2022196NI)

研究機関名、研究分担者及び本学の研究責任者氏名

この研究が行われる研究機関、研究分担者と研究責任者は次に示すとおりです。
研究機関 東京大学大学院医学系研究科 人体病理学・病理診断学教室 
研究分担者 国田 朱子 (次世代プレシジョンメディシン開発講座(社会連携講座))
研究責任者 牛久 哲男 (人体病理学・病理診断学 教授) 担当業務 研究の統括

研究協力機関

研究協力機関 コニカミノルタ株式会社
責任者 赤堀正和・ヘルスケア事業本部・プレシジョンメディシン事業部・グループリーダー
担当業務 東大病院から試料の提供を受け、抽出した核酸を対象にライブラリ作製とその定量を行う

研究期間

承認日~2026年9月30日

対象となる方

2016年1月1日〜2026年3月31日の間に当院病理部で悪性腫瘍の病理診断が行われた方

研究の目的・意義

当院はがんゲノム医療中核拠点病院としてがん遺伝子パネル検査を実施しています。
がん遺伝子パネル検査は多くの遺伝子変化を一度に調べることにより、患者さん一人ひとりに合わせた治療法の検討を行うことができる新しい検査方法です。2019年から全国のがんゲノム医療中核拠点病院、がんゲノム医療拠点病院、がんゲノム医療連携病院では保険診療としてがん遺伝子パネル検査を受けられるようになり急速に発展し、新しい遺伝子パネルの開発も進んでいます。この研究は次世代型の遺伝子パネルであり、DNAのみならずRNAも搭載された遺伝子パネル検査に適した病理組織検体の取り扱い方法の改良を行う実証研究です。この研究により、より精確な遺伝子パネル検査結果が得られ、より精密な医療を提供する事を目的としています。

研究の方法

東京大学医学部付属病院病理部において保管された病理組織標本からDNAやRNAを抽出し、DNAやRNAの品質を機械を使って調べます。これまでの診療で診療録(カルテ)に記録されている情報(年齢、性別、症状、身体所見、各種検査や画像データ、臨床経過、病理診断情報など)を取得して、通常の病理診断後の標本を対象として行う研究です。患者さんご本人の診療内容には全く影響を与えません。また特に研究対象者の皆さんに新たにご負担いただくことはありません。
なお、研究計画書や研究の方法に関する資料を入手・閲覧して、研究内容を詳しくお知りになりたい場合は、末尾の連絡先にお問い合わせください。他の研究対象者の個人情報等の保護や研究の独創性確保に支障がない範囲でご提供させていただきます。

個人情報の保護

この研究に関わって取得される試料や資料・情報等は、外部に漏えいすることのないよう、慎重に取り扱う必要があります。
取得した試料や資料・情報等は、解析する前に氏名・住所・生年月日等の個人情報を削り、代わりに新しく研究用の符号をつけ、どなたのものか分からないようにします。どなたのものか分からないように加工した上で、パスワードロックをかけたパソコンで厳重に保管します。ただし、必要な場合には、当研究室においてこの符号を元の氏名等に戻す操作を行うこともできます。
あなたの試料や情報は、当研究室において管理責任者が、個人情報管理担当者のみ使用できるパスワードロックをかけたパソコン、鍵のかかる冷凍庫等で厳重に保管します。
研究の成果は、あなたの氏名等の個人情報が明らかにならないようにした上で、学会発表や学術雑誌で公表します。
取得した試料(DNA/RNA)や情報・データ等は厳重な管理のもと、研究終了後5年間保存されます。保管期間終了後には、学内の規定に従い安全に廃棄します。なお研究データを統計データとしてまとめたものについてはお問い合わせがあれば開示いたしますので下記までご連絡ください。
尚、提供いただいた試料・情報の管理の責任者は下記の通りです。

試料・情報の管理責任者
所属:東京大学大学院医学系研究科 人体病理学・病理診断学教室)
氏名:牛久 哲男

本研究の結果として知的財産権等が生じる可能性がありますが、その権利は国、研究機関、民間企業を含む共同研究機関及び研究従事者等に属し、研究対象者はこの特許権等を持ちません。また、その知的財産権等に基づき経済的利益が生じる可能性がありますが、これについての権利も持ちません。
この研究は、東京大学医学部倫理委員会の承認を受け、東京大学医学部附属病院長の許可を受けて実施するものです。
この研究に関する費用は、東京大学大学院医学系研究科・次世代プレシジョンメディシン開発講座の研究費から支出されています。次世代プレシジョンメディシン開発講座は社会連携講座であり、コニカミノルタ株式会社との共同研究契約のもと研究活動を行なっています。
本研究は、コニカミノルタ株式会社より研究資金の提供を受けて実施いたしますが、東京大学医学部利益相反アドバイザリー機関に報告し、利益相反マネジメントを適正に行っています。 研究の実施や報告の際に、コニカミノルタ株式会社(研究資金提供元)に都合のよい成績となるよう意図的に導いたりすることはありません。
尚、あなたへの謝金はございません。

この研究について、わからないことや聞きたいこと、何か心配なことがありましたら、お気軽に下記の連絡先までお問い合わせください。

 

                                                                                 2022年10月

連絡・お問い合わせ先

研究責任者:牛久哲男
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1
東京大学大学院医学系研究科・人体病理学・病理診断学
Tel: 03-5841-3343 Fax: 03-3815-8379
e-mail:usikut-tky@umin.ac.jp