肝腫瘍のゲノム・遺伝子解析とその臨床病理学的意義の解明

はじめに

東京大学医学部附属病院病理部および東京大学大学院医学系研究科人体病理学教室では、当院を受診され肝腫瘍の病理組織検体を採取させて頂いた方を対象に、患者さんの病理診断を行っております。病理組織標本は患者さんの病変のある部分から直接採取されるものであるため、疾患に関するさまざまな情報を得ることができます。これらの検体や情報を元に研究を行うことは、肝腫瘍の原因や治療法などに対する知見を深め、将来の医療に役立てる上でとても重要です。

1. 試料・情報の利用目的及び利用方法(他の機関へ提供される場合はその方法を含む)

当院病理部および東京大学大学院医学系研究科人体病理学教室では、肝腫瘍の切除手術や生検などを受けられた患者さんの検体・標本およびデータを用いさせて頂いて、腫瘍の発生メカニズムの探索や新しい診法・治療法の開発を目標として研究を行っております。 この研究の対象となる患者さんは、平成15年12月22日以降に東京大学医学部附属病院で肝腫瘍の切除手術や生検などを受けられた方です(但しゲノム解析以外の病理学的研究(形態学的解析や組織染色など)の対象となる患者さんは、それ以前に上部消化管腫瘍の切除手術や生検などを受けられた方も含みます)。この研究では、具体的には、臨床情報(問診や診察所見、疾患名、処置・手術・投薬等の治療内容、放射線画像(CT, MRI, 核医学検査など)、血液検査・生理検査・尿検査・便検査など各種検査データや臨床評価指標など)、手術や生検などで採取された病理組織検体(パラフィン包埋検体や凍結検体など)を研究対象としています。この研究は検体から抽出した核酸を用いた網羅的なゲノム解析(遺伝子の配列や発現量を調べる解析など)を含みます。この研究は診療記録および通常の病理検体を対象として行われますので、患者さんご本人の診療内容には全く影響を与えませんし、不利益を受けることもありません。
この研究によって得られた成果を学会や論文で発表することは、将来の医療へ役立てるために大切なことです。その際にも、患者さん個人のお名前やご住所などの個人情報は匿名化させて頂き、その保護には十分に配慮いたします。解析されたゲノム配列などについては国内外の専用のデータベースに登録することで他の研究者とデータを共有する場合がございます。その場合にも、患者さんのお名前やご住所などの個人情報は削除したうえで登録いたします。審査を受けた研究者のみがアクセスできる厳格なコントロールアクセス機能を持つデータベースに限って登録を行います。平成29年5月30日現在では、以下のデータベースへの登録の可能性を予定しています。

  • ICGC (International Cancer Genome Consortium) Data Portal
  • EBI EGA (European Bioinformatics Institute, European Genome-phenome Archive)
  • NCBI dbGaP (National Center for Biotechnology Information, Database of Genotypes and Phenotypes)
  • JGA (Japanese Genotype-phenotype Archive)

これらのデータベースは個人情報の取扱いに十分な配慮がなされていることが予め確認されています。なお、データの公開先について変更があった場合には、こちらのウェブサイトにて公示いたします。このように、この研究を進めるにあたっては、患者さんの個人情報の取り扱いに最大限の配慮を講じさせて頂きます。 なお以下③にも記載致しますように、この研究では患者さんの試料の一部が他の研究機関などへ提供される場合があります。患者さんの病理検体あるいはそこから抽出された核酸が他の研究施設で解析されることがありますが、お名前やご住所などの情報は匿名化させて頂いた状態で凍結試料の送付および解析を行います。また、ゲノム配列の解読作業の一部などについて受託解析会社へ委託する可能性もございますが、患者さんのお名前やご住所などの情報は匿名化した状態で委託します。
平成29年5月30日現在、委託を予定している受託解析施設には以下がありますが、今後変更があった場合には、こちらのウェブサイトにて公示いたします。

  • タカラバイオ株式会社
  • 国立国際医療研究センターと契約を結んだ外注先

この企業は、患者さんの個人情報の取扱いについて十分な配慮が取り払われることが確認されています。

2. 利用し、又は提供する試料・情報の項目

この研究では、1.で記載いたしましたように患者さんの臨床情報(問診や診察所見、疾患名、処置・手術・投薬等の治療内容、放射線画像(CT, MRI, 核医学検査など)、血液検査・生理検査・尿検査・便検査など各種検査データや臨床評価指標など)、手術や生検などで採取された病理組織検体(パラフィン包埋検体や凍結検体など)が研究対象として用いられます。また、この研究は検体から抽出した核酸を用いた網羅的なゲノム解析(遺伝子の配列や発現量を調べる解析など)を含みます。この研究は診療記録および通常の病理検体を対象として行われますので、患者さんご本人の診療内容には全く影響を与えませんし、不利益を受けることもありません。

3. 利用する者の範囲

この研究は以下の機関を主たる研究機関として行われます。

  • 東京大学大学院医学系研究科人体病理学・病理診断学分野 (責任者:牛久哲男)

平成30年1月11日現在、この研究は以下の研究機関との共同研究として行っております。共同研究機関に追加や変更が生じた場合には、こちらのウェブサイトにて公示いたします。

  • 東京大学大学院医学系研究科肝胆膵外科学 (責任者:長谷川潔)
  • 東京大学大学院医学系研究科消化器内科 (同:小池 和彦)
  • 東京大学大学院医学系研究科分子予防医学分野 (同:石川 俊平)
  • 東京大学先端科学技術研究センター (同:油谷浩幸)
  • 東京大学医科学研究所 (同:宮野悟)
  • 千葉大学大学院医学研究院 (同:金田篤志)
  • 東京医科歯科大学難治疾患研究所 (同:石川俊平)
  • 国立国際医療研究センター研究所ゲノム医科学プロジェクト (同:溝上 雅史)

患者さんの病理検体などをここに記載する研究に使用する範囲は以上の機関に限られます。

4. 試料・情報の管理について責任を有する者の氏名又は名称

東京大学大学院医学系研究科病因・病理学専攻人体病理学・病理診断学分野 教授 牛久哲男

5. 研究対象者、またはその代理人(代諾者)の求めに応じて、研究対象者が識別される試料・情報の利用又は他の研究機関への提供を停止すること。

この研究に関して不明な点がある場合、また患者さんの試料をこの研究に使用させて頂くことや他機関へ試料が送付される可能性があることなどについて、患者さんがご同意なされない場合には、下記までご連絡頂きたいと存じます。その場合には、検体の使用あるいは他機関への提供を停止させて頂きます。この研究のどの時点で同意を撤回することも自由ですが、一度研究の成果や遺伝子の情報などを公開してしまいますと、その部分については取り消しが非常に難しくなることはご理解ください。ご家族および後見人等の方からのご連絡も承ります。なお、この研究は当院の倫理委員会の承認を得ております。また、ご自身の検体の研究への使用をお断りになった場合でも、将来にわたって患者さんが当院における診療上の不利益を被ることは全くありませんので、ご安心ください。

6. 5.の研究対象者又はその代理人の求めを受け付ける方法

この研究に関してのお問い合わせ、あるいはこの研究へのご参加をお断り頂くご意向などございましたら、以下の電話/Fax をご利用になってお申し出ください。

研究責任者:牛久哲男
東京大学大学院医学系研究科 病因・病理学専攻
人体病理学・病理診断学分野
電話 03-5841-3341 Fax 03-3815-8379