上部消化管腫瘍のゲノム・遺伝子解析とその臨床病理学的意義の解明(下部消化管の手術を受けられた方へ)

はじめに

東京大学医学部附属病院病理部および東京大学大学院医学系研究科人体病理学教室では、当院を受診され下部消化管腫瘍(小腸や大腸にできた腫瘍)の病理組織検体を採取させて頂いた方を対象に、患者さんの病理診断を行っております。病理組織標本は患者さんの病変のある部分から直接採取されるものであるため、疾患に関するさまざまな情報を得ることができます。これらの検体や情報を元に研究を行うことは、下部消化管腫瘍の原因や治療法などに対する知見を深め、将来の医療に役立てる上でとても重要です。

1. 試料・情報の利用目的及び利用方法(他の機関へ提供される場合はその方法を含む)

当院病理部および東京大学大学院医学系研究科人体病理学教室では、上部消化管腫瘍(食道・胃・十二指腸)の切除手術や生検などを受けられた患者さんの検体・標本およびデータを用いさせて頂いて、腫瘍の発生メカニズムの探索や新しい診断法・治療法の開発を目標として研究を行ってまいりました。この度、この研究を下部消化管腫瘍(小腸や大腸)にも拡張し、更に疾患の理解を深める研究を行うことになりました。
この研究の対象となる患者さんは、2000年1月1日以降に東京大学医学部附属病院で上部消化管腫瘍の切除手術や生検などを受けられた方です。この研究では、具体的には、臨床情報(問診や診察所見、疾患名、処置・手術・投薬等の治療内容、放射線画像(CT, MRI, 核医学検査など)、血液検査・生理検査・尿検査・便検査など各種検査データや臨床評価指標など)、手術や生検などで採取された病理組織検体(パラフィン包埋検体や凍結検体など)を研究対象としています。通常の診断が終了した後の病理組織検体を用い、組織像の観察や免疫組織学的検索、in situ hybridization、核酸を用いたDNAやRNAの解析(網羅的なゲノム解析は含みません)を行います。この研究は診療記録および通常の病理検体を対象として行われますので、患者さんご本人の診療内容には全く影響を与えませんし、不利益を受けることもありません。 この研究によって得られた成果を学会や論文で発表することは、将来の医療へ役立てるために大切なことです。その際にも、患者さん個人のお名前やご住所などの個人情報は匿名化させて頂き、その保護には十分に配慮いたします。

2. 利用し、又は提供する試料・情報の項目

この研究では、1で記載いたしましたように患者さんの臨床情報(問診や診察所見、疾患名、処置・手術・投薬等の治療内容、放射線画像(CT, MRI, 核医学検査など)、血液検査・生理検査・尿検査・便検査など各種検査データや臨床評価指標など)、手術や生検などで採取された病理組織検体(パラフィン包埋検体や凍結検体など)が研究対象として用いられます。この研究は診療記録および通常の病理検体を対象として行われますので、患者さんご本人の診療内容には全く影響を与えませんし、不利益を受けることもありません。

3. 利用する者の範囲

この研究は以下の機関を主たる研究機関として行われます。

  • 東京大学大学院医学系研究科 人体病理学・病理診断学分野 (責任者:牛久哲男)

令和元年6月現在、この研究は以下の研究機関との共同研究として行っております。共同研究機関に追加や変更が生じた場合には、こちらのウェブサイトにて公示いたします。

  • ・東京大学大学院医学系研究科 腫瘍外科学講座(教授・石原聡一郎)

4. 試料・情報の管理について責任を有する者の氏名又は名称

東京大学大学院医学系研究科 病因・病理学専攻 人体病理学・病理診断学分野 教授 牛久哲男

5. 研究対象者、またはその代理人(代諾者)の求めに応じて、研究対象者が識別される試料・情報の利用又は他の研究機関への提供を停止すること。

この研究に関して不明な点がある場合、また患者さんの試料をこの研究に使用させて頂くことや他機関へ試料が送付される可能性があることなどについて、患者さんがご同意なされない場合には、下記までご連絡頂きたいと存じます。その場合には、検体の使用あるいは他機関への提供を停止させて頂きます。この研究のどの時点で同意を撤回することも自由ですが、一度研究の成果を公開してしまいますと、その部分については取り消しが非常に難しくなることはご理解ください。ご家族および後見人等の方からのご連絡も承ります。なお、この研究は当院の倫理委員会の承認を得ております。また、ご自身の検体の研究への使用をお断りになった場合でも、将来にわたって患者さんが当院における診療上の不利益を被ることは全くありませんので、ご安心ください。

6. 5.の研究対象者又はその代理人の求めを受け付ける方法

この研究に関してのお問い合わせ、あるいはこの研究へのご参加をお断り頂くご意向などございましたら、以下の電話/Fax をご利用になってお申し出ください。

研究責任者:牛久哲男
東京大学大学院医学系研究科 病因・病理学専攻 人体病理学・病理診断学分野
電話 03-5841-3341
Fax 03-3815-8379