組織透明化技術を応用したヒト組織検査法の検討

東大病院で病理解剖にご協力頂いた患者さんのご遺族の方への協力のお願い

東京大学人体病理学教室・医学部附属病院病理部では、当院で治療を受けたものの、残念ながら亡くなられた患者さんで、ご遺族の御承諾を頂いた方を対象に、死因や病態を明らかにして今後の医療に生かすため、病理解剖を行っております。 東京大学大学院医学系研究科人体病理学教室・システムズ薬理学教室では、病理解剖で病理学的検索の終了した検体を用いて研究を行っております。具体的には、病理解剖で採取された臓器のホルマリン固定検体の一部を対象に、システムズ薬理学教室において特殊処理により臓器検体を透明にし、顕微鏡で臓器ブロックを観察することで、様々な正常組織や病変組織の3次元的な組織型や病変分布、分子生物学的情報、各種臨床情報などの相関関係について研究を行います。また、共同研究先の理化学研究所生命機能科学研究センター合成生物学研究チームでも、同様の解析が行われることがあります。システムズ薬理学教室や理化学研究所へ検体が提供される際には、解析担当者には個人情報が伝わらないよう匿名化を行い、年齢、性別、病歴など患者さんに関する最小限の情報のみが検体とともに提供されます。
この研究は通常の病理解剖による病理解剖診断後の標本を対象として行われますので、患者さんご本人の診療内容には全く影響はなく、不利益を受けることもありません。上記にありますように、検体の提供や解析にあたり個人情報は匿名化させていただき、その保護には十分に配慮いたします。学会や論文で結果を発表する際には、個人の特定が可能な情報は全て削除されます。また、この研究はサーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社およびオリンパス株式会社から共同研究契約に基づいて提供された機材を使用する場合がありますが、収集されたデータは科学的に公正に判定され、これらの共同研究が結果の解釈に影響をあたえることはありません。

この研究に関して不明な点がある場合、或いはデータの利用に同意されない場合には、以下にご連絡頂きたいと存じます。なお、本研究は当院の倫理委員会の承認を得ております。また、データや標本の研究での使用をお断りになった場合でも、将来にわたってご遺族の方が当院における診療上の不利益を被ることはありませんので、ご安心ください 。

2019年4月1日

問い合わせ先

東京都文京区本郷7-3-1 国立大学法人東京大学
大学院医学系研究科・医学部 システムズ薬理学教室
上田泰己(研究代表者)
Tel: 03-5841-3415
Fax: 03-5841-3418
大学院医学系研究科・医学部 人体病理学・病理診断学教室
牛久哲男 (研究担当者)
Tel: 03-5841-3343
Fax: 03-3815-8379