ティッシュアレーを用いた癌関連遺伝子の病理組織学的解析

東京大学医学部付属病院にて病理組織診断を受けられた方とそのご家族の方 及び病理解剖を受けられた方のご遺族の方へ

 東京大学医学部附属病院病理部では、当院を受診され、病理組織検体を採取させていただいた方を対象に、標本を作製し、患者さんの病理診断を行っております。病理組織標本は患者さんの病変のある部分から直接採取されるものであるため、画像検査や血液検査等の他の手段では得られない様々な情報を知ることができます。これらの情報を元に研究を行うことは、各種の疾病に対する知見を深める上で重要です。 当院病理部、及び東京大学大学院医学系研究科人体病理学教室では、当院で腫瘍の切除手術を受けられた患者さんの病理組織標本の一部からティッシュアレー(多数の患者さんの病理組織標本を一つのパラフィンブロックに集めたもの)を構築し、免疫組織化学的手法やin situ hybridization法等により、腫瘍に含まれるDNAやRNA、タンパクを調べ、それらの悪性度や予後等に与える意義の解明を目的とした研究を行っております。 この研究の対象者に該当する可能性がある方で、ご自身またはご家族の病理組織標本及び診療情報等を研究目的に利用または提出されることを希望されない場合は病理診断を受けた後3カ月以内を目安に末尾に記載の問い合わせ先までご連絡ください。

研究課題

 ティッシュアレーを用いた癌関連遺伝子の病理組織学的解析(審査番号2381)

研究機関名及び本学の研究責任者氏名

 この研究が行われる研究機関と研究責任者は次に示すとおりです。
  研究機関  東京大学大学院医学系研究科 人体病理学・病理診断学
  研究責任者   牛久 哲男 人体病理学・病理診断学 教授
  担当業務 研究計画立案、データの取得と解析

 この研究に利用する試料・情報は上記の研究機関のみで利用されます。

研究期間

 承認日~2024年7月5日
 本研究は長期にわたる研究を計画しています。記載の研究期間終了後も継続する場合は、研究期間延長の申請を行う予定です。

対象となる方

 1955年以降に手術・生検の病理診断を受けられた方、及び病理解剖を受けられた方

研究目的・意義
 病理組織標本は患者さんの病変のある部分から直接採取されるものであるため、画像検査や血液検査等の他の手段では得られない様々な情報を知ることができます。これらの情報を元に研究を行うことは、各種の疾病に対する知見を深める上で重要です。本研究ではティッシュアレー(多数の患者さんの病理組織標本を一つのパラフィンブロックに集めたもの)を用いることで、多数の患者さんの検体を効率的に解析し、腫瘍に含まれるDNAやRNA、タンパクの異常を明らかにし、各異常の持つ意義を解明することを目的としています。

研究の方法

 東大病院で腫瘍の切除手術を受けられた患者さんの病理組織標本(ホルマリン固定パラフィン包埋ブロック)の一部からティッシュアレー(多数の患者さんの病理組織標本を一つのパラフィンブロックに集めたもの)を構築します。構築したティッシュアレーを用い、免疫組織化学的手法やin situ hybridization法等により、腫瘍に含まれるDNAやRNA、タンパクを調べます。ティッシュアレーを用いることで、一度に多数の検体を効率的に解析することが可能となり、また症例ごとの解析条件を同一にすることができ、解析結果の信頼性を増すことができます。
 得られた解析結果を元に、患者さんのその他の臨床情報(画像検査、各種検査結果、予後など)と比較検討し、解析で見つかったDNAやRNA、タンパクが持つ異常について、その意義を解明します。

 これまでの診療で診療録(カルテ)に記録されている血液検査や尿検査結果、画像検査、病理検査などのデータを取得して行う研究です。特に研究対象者の皆さんに新たにご負担いただくことはありません。

 なお、研究計画書や研究の方法に関する資料を入手・閲覧して、研究内容を詳しくお知りになりたい場合は、末尾の連絡先にお問い合わせください。他の研究対象者の個人情報等の保護や研究の独創性確保に支障がない範囲でご提供させていただきます。

個人情報の保護

 この研究に関わって取得される試料や資料・情報等は、外部に漏えいすることのないよう、慎重に取り扱う必要があります。
 取得した試料や資料・情報等は、解析する前に氏名・住所・生年月日等(※本研究の内容と揃えてください)の個人情報を削り、代わりに新しく研究用の符号をつけ、どなたのものか分からないようにします。どなたのものか分からないように加工した上で、鍵のかかるキャビネット、研究責任者のみ使用できるパスワードロックをかけたパソコン、鍵をかけたロッカーで厳重に保管します。ただし、必要な場合には、当研究室/診療科においてこの符号を元の氏名等に戻す操作を行い、結果をあなたにお知らせすることもできます。
 この研究のためにご自分(あるいはご家族)の試料や情報・データ等を使用してほしくない場合は主治医にお伝えいただくか、下記の問い合わせ先に病理診断後3カ月以内を目安にご連絡ください。研究に参加いただけない場合でも、将来にわたって不利益が生じることはありません。
 ご連絡をいただかなかった場合、ご了承いただいたものとさせていただきます。
 研究の成果は、あなたの氏名等の個人情報が明らかにならないようにした上で、学会発表や学術雑誌、国内及び海外のデータベース等で公表します。
 取得した試料や情報・データ等は厳重な管理のもと、研究終了後5年間保存されます。保管期間終了後には、試料(ティッシュアレー)は学内の規定に基づき適切に廃棄します。電子データは復元不可能な形で削除し、紙媒体の資料はシュレッダーにかけて廃棄します。なお研究データを統計データとしてまとめたものについてはお問い合わせがあれば開示いたしますので下記までご連絡ください。

尚、提供いただいた試料・情報の管理の責任者は下記の通りです。  
  試料・情報の管理責任者   
  所属:東京大学 人体病理学・病理診断学   
  氏名:牛久 哲男

 本研究の結果として知的財産権等が生じる可能性がありますが、その権利は国、研究機関、及び研究従事者等に属し、研究対象者はこの特許権等を持ちません。また、その知的財産権等に基づき経済的利益が生じる可能性がありますが、これについての権利も持ちません。

 この研究は、東京大学医学部倫理委員会の承認を受け、東京大学医学部附属病院長の許可を受けて実施するものです。

 この研究に関する費用は、東京大学大学院医学系研究科・医学部人体病理学・病理診断学分野の運営費から支出されています。
 本研究に関して、開示すべき利益相反関係はありません。

 尚、あなたへの謝金はございません。

 この研究について、わからないことや聞きたいこと、何か心配なことがありましたら、お気軽に下記の連絡先までお問い合わせください。

                                                                                                                                                                                                                                                  2023年6月

連絡・お問い合わせ先

研究責任者:牛久 哲男(うしく てつお)
連絡担当者:阿部 浩幸(あべ ひろゆき)
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1
東京大学大学院医学系研究科 人体病理学・病理診断学
電話:03-5841-3341(内線23341)  FAX:03-3815-8379
e-mail:pathology-ikyoku@umin.ac.jp