教授挨拶

牛久 哲男
Tetsuo Ushiku
教授
東大医卒
医師,医学博士
日本病理学会認定専門医

当教室は1887年3月17日に三浦守治先生を初代教授として開設され、130年以上の歴史があります。伝統ある教室をさらに発展させるべく努力して参ります。
病理の世界は大きな変革期を迎えています。次世代シーケンサーを用いたゲノム解析、人工知能による画像解析をはじめ、様々な新技術が病理学研究に応用され、浸透しつつあります。医療の現場では、病理診断確定のために遺伝子検査が不可欠となる場面が増え、薬剤投与適応決定のためのコンパニオン診断の実施機会が増加しています。昨年からは保険診療でのがんパネル検査がスタートし、検体の精度管理やエキスパートパネル等で病理医の役割がますます高まり、こうした状況に対応するため今年から分子病理専門医制度が始まる予定です。また人工知能の病理診断等への応用開発が活発に進められ、遠隔病理診断の機会も今後益々増えていくでしょう。
こうした変革期において、当教室では積極的に新技術を取り入れ、次世代の病理学・病理診断学の創造を目指し、全メンバーが一丸となって研究や診療、教育に取り組んでおります。
一方、従来の形態観察に基づく病理学・病理診断学の重要性は決して変わっていないことも忘れてはいけません。病理医は、形態観察による病態の理解や疾患分類のスペシャリストであり、私たちはその経験と専門性を生かした研究を推進し、医学・医療に貢献します。良い病理医は良い研究者でもある、すなわち病理診断の強化は研究の強化に直結することから、私たちは病院病理部におけるスタッフ・専攻医の教育にも注力し、一流の病理医育成に努めています。病理医不足が叫ばれる中、優れた人材を全国に輩出することも当教室の責務です。
医学の礎として発展してきた病理学の伝統と先進技術の導入による革新を融合させることにより、新時代の病理学研究を推進し、病態解明や診断・治療に直結する発見を目指して医学の発展に貢献します。また病理部においては、病気に苦しむ患者さんの治療に貢献できるよう、迅速で正確な病理診断を提供し、東大病院の診療をしっかり支えていきます。

教授略歴

2000年 3月東京大学医学部医学科卒
2000年 4月-2004年3月東京大学大学院 人体病理学・病理診断学 (医学博士)
2004年 4月-2005年3月東京大学大学院 人体病理学・病理診断学 助手
2005年 4月-2010年9月東京大学医学部附属病院病理部 助手 (助教)
2010年10月-2012年3月東京大学医学部附属病院病理部 病院講師
2012年 4月-2013年3月Massachusetts General Hospital Research Fellow
2013年 4月-2019年4月東京大学大学院 人体病理学・病理診断学 准教授
2017年 4月-東京大学医学部附属病院・病理部 部長 (兼任)
2019年 5月-東京大学大学院 人体病理学・病理診断学 教授